したたかな国 ロシア






 
 ロシア進出を検討される企業、ビジネスマンが年々増えてきている。
 
 2003年10月、アメリカの証券会社ゴールドマン・サックスが、投資家向け の報告書の中で、世界の新興経済大国を指してBRICsと名付けた。
 ブラジル・ロシア・インド・中国の4カ国の頭文字をとっての造語である が、BRICsが注目を集めるようになったのは、2039年までにBRICsのGDP 合計が、アメリカ・日本・ドイツ・イギリス・フランス・イタリアの合計を上回る という予測がされてからである。
 


 
 以来、このゴールドマン・サックス証券の報告を境に、ロシアにはそれま で以上に、外国企業の進出のピッチが上がってきた。

 しかし改善されてきてはいるものの、ロシアのビジネス環境は決して良 好なほうだとは言い難い。




 ロシアに進出をした企業の多くは、戸惑いを隠せない。
 そこにはロシアが過去に社会主義国家として培ってきた独特の土壌がある、その土壌の中で育まれてきた国 民性もある。

 ロシアの本質の一端が垣間見える現実として、日本との間に北方領土問題がある。過去半世紀以上にわたっ て両国政府間で何度も話し合いが行われてきた、しかし、半世紀以上たった今でも何一つとして解決への糸口 はつかめていない。
 


 
 また最近ではロシアの国営企業ガスプロムによる、サハリンエナジー 社の株式取得による、事実上の支配などが上げられる。


 多くの人は、ロシアは「したたかな国」という印象を、いつの頃からか持ちはじめるようになった。
 ではロシアの持つ「したたかさ」の本質とは?
 それを一言で片付けるなら「臆病の国」と見ることはできないだろうか、大国ゆえの自らが持つ既得権を、外 の侵略から必死に守ろうとするあがき以外の何ものでもないと・・・・・

 「したたかさ」と付き合うには、こちらも「したたか」にならなければならない、臆さず「したたか」になること によって、自分の身の回りの環境を動かしていくことができる。